ブログ再開と悲しい話題

  • 2023年6月19日
  • 2024年8月17日
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癌の色別のリボンロゴ。サルコーマ全般の癌のリボンの色は24番の黄色

始めに:ダブルお詫び

前回のブログからなんと6ヶ月半も経ってしまいました!ごめんなさい!! こんな小さなブログだけど読んでくださる方々がいて、日本の読者さんから「もうブログを辞めたんですか?」と言うご質問もいくつかFacebook経由でいただいたりしました。まず、ブログを長期間お休みしていたお詫びをいたします。そしてもう一つのお詫びは、今回のブログはピックルとも直接関係ないし、とてもネガティブな話題になるからです。でもこのブログは私の日常も語っている私的ブログなのでこの件を書かなければブログ再開できないのです。

アイボーが病気になってしまいました

来月62歳になる私のアイボーは私にとりかけがえの無い、何よりも大切な存在です。 その最愛の彼が末期がんになってしまいました。ここ2年ほど彼はお腹の不調を訴えて、その度に様々な検査などを行ってきたけどいつも異常なしの結果。 〜両親の週末の家リバーハウスは、かつてアイボー両親が家族や仲間達とウインドサーフィンを毎日楽しむために建てた川沿いの家ですが、アイボーは良い風が吹く日はもう毎日でもリバーハウスに行ってサーフィンをしてました。仕事を4時に終えてオフィスから真っ直ぐリバーハウスに行ってサーフィンして夜8時頃帰宅、と言うこともしょっ中。風のない日は毎日テニスです。学生時代はスキーの指導もしていました。それくらい彼はアスレチックな人で病気とは程遠い所にいる人だったのです。〜昨年10月、私とアイボーはメキシコにブルース音楽のクルーズに行き、そこからマウイへ行きましたが、マウイ島で1ヶ月過ごしているうちに彼の調子はどんどん悪化し、救急センターに行ったらそこで初めて「癌の疑いかも」と言われました。慌ててカリフォルニアに帰宅して癌のスキャンをいくつかした結果、「あなたは”Angiosarcoma(血管肉腫) と言う、100万人に1人の割合の珍しい癌で、あなたの場合は肝臓に大きな腫瘍があり、そこから脾臓やその周りに転移しているので手術はすでに手遅れで不可能。完治も不可能で末期。余命は何もしなければ6ヶ月〜1年以内」と宣告受けました。彼は勿論、私も家族も、地球上の全てがひっくり返ったようなショックで皆、恐怖や怒りや悲しみでおかしくなりそうでした。彼はとてもユニークな人で、恐ろしいほど素朴なのだけど彼の父親同様いつも周りからの信頼と尊敬を受けている人です。自分よりも家族親族や近所や知人のビジネスや地域やホームレスまで、他人のサポートする事に時間やお金や労力をかける人です。だから本当にたくさんの人たちが彼の癌告知の噂を聞きつけて悲しみで大騒ぎとなりました。
”アンジオサルコーマ” なんて癌、誰も聞いたことがありませんでした。調べると血管内の細胞がガン化すると言うもので膵臓癌並みに進行度の早い悪性の癌との事。日本では5年生存率が9%とのこと。臨床例が少ないため、どんな治療法が最適なのか見極められません。

アイボーは、サンフランシスコとベイ・エリアに支社を持つ建築関連会社を経営していますが、経営を幹部達に任せたり、あらゆる医療機関のスペシャリストを探したり保険会社を増やしたり弁護士とのやりとり、、、、そしてキモセラピーなどがすぐに始まりました。ホリスティックなプライベート・クリニックは保険外だけど、世界中から患者が集まるという所にも通います。ここでは始めに彼の血液とDNAをギリシャの研究所に送ってそこで彼のコンディションなどを検証、そして彼用にカスタマイズ調合されたビタミンなどのサプリメントをサンフランシスコに送って点滴で注入するというものです。かなりの高額治療だけど、4月から現在までの彼の調子は、痛みが比較的少ないので、これらの薬などが効いているのかもしれません。ここでは実際のがんの薬を作ってキモセラピーを行うことも可能だそう。ちなみに洋の東西を問わず、世の中の大病院のお医者様の殆どは、こういったホリスティックベースの医療トリートメントは信じていないようですね。

癌患者とその家族の生活

癌告知以来、当然ながら私とアイボーの生活は一変しました。告知当時は奈落の底に落とされた気分。2人の将来の計画や夢は一気に吹き飛ばされ、彼の髪の毛はキモセラピーでごっそり抜けて彼は頭を剃りました。癌がある肝臓や脾臓はたまにキリキリと痛み、毎日大量に服用するさまざまな薬やサプリメント、癌治療生活で毎日追われ続けます。でも痛みは毎日あるわけではなく、普段は疲れやすく昼間でも眠ってしまいがち。唯一食欲は旺盛でした。アンジオサルコーマと言うガンは一般には犬の癌として有名。人間の場合は皮膚特に頭皮などにできるケースが多く、また乳癌から発展してなる場合もあるそうです。しかし身体中のどこにでも発病の可能性はあるとか。また、皮膚の次には腹部内の臓器などにもできやすいそう。彼の場合がこれですね。
彼はお酒が大好きで家族で自家製ファミリー・ワインを作るくらい。ビール、ワインそしてテキーラはよく飲んでいました。しかしもうお酒は一生一滴も飲めません。お酒は命取りだとどの医者からも言われました。

彼が体内に摂取するものについては、可能な限りクリーンさにこだわる事にしました。お肉はもう超加工食品はとらず、グラスフェッドやケージフリーやフリーレンジの新鮮な肉、野菜や果物はオーガニックのみ。そして病気で痩せてきた彼にタンパク質やビタミンを補給するため毎朝”スーパー・ブースター・スムージー”を作る事にしました。土台はプロテイン・パウダーですが、これに色々力の出そうなパウダー(ターメリックとか)や種などを加えておいて、それに色の濃い野菜などを加えます。これはいずれここで紹介したいです。

人生観/生き方が完全に変わった

アイボーが「あなたの命は6〜12ヶ月」と告知されて以来、私たちの毎日の”生き方”が完全に変わりました。初めは近い将来彼はこの世からいなくなってしまうという絶望感で何も手がつけられませんでした。1〜2月はまだコロナになる人がいて、更に不思議な風邪にかかる人も多かったため、彼はもとより私も外出一切せず。私が外から悪い菌など持ち込んで彼が風邪ひいたりしたらキモセラピーなどの治療ができなくなってしまうから。そのため12月から3ヶ月以上ほとんど家から出ず、したがって大好きなPBallも当然できません。それによるストレスはどうにも辛かったです。家の中でトレッドミルやウエイトトレーニングやストレッチしても精神的ストレスは高まるばかりでした。元々スポーツマンの彼は病気の本人だから更にストレスが極限まで上り詰め、精神科医やカウンセリング、ヒーリングセラピー、瞑想セラピーセッション、果ては教会の牧師に毎週会いに行ったりしました。(彼は無宗教だった)これらの所から帰ってくると暫くは落ち着いてましたが、折につけ「自分がどんなに今から頑張ろうと、体は日々蝕まれて行き、痛みで苦しもがいて1年後には死んでしまうのだ!それなら苦しもがく前に殺してくれ。」といった様なことを口にしたりしました。私は彼の両親や妹ともとても近い関係にあるため、アイボーを愛する彼らの苦しみも見ていられませんでした。「これから死ぬまでの数ヶ月?あるいは、長くて数年間をどうやって生きて行けば良いのか」と2人で途方と悲しみに暮れました。そして現実問題として、彼の死後、全てをどうするかと言う話もしなければならず、「とにかく今生きていることを実感して感謝し、全てを受け止めて1日1日を悔いなく生きるしかない」と思うようになるまで数ヶ月がかかりました。というか宣告を受けて半年以上経った今でも、ガン腫瘍部分が痛み出した時などは「もう死んでしまうんだ」とあっという間にどん底に落ちて行ったりします。”病(やまい)は気から”とは本当に言い得て妙だと思います。癌は精神との戦いでもあるのです。私もアイボーも、この数年間で親や若い息子など、愛する者の死に直面してきました。しかしまさか彼が死を間近に生きる事になるとは・・・・。 私は「変われることなら私が彼の代わりに末期がんになれば良い。もしそれで彼が代わりに健康に生きられるなら。」と何度も思いました。私より彼の方が”人間としての価値。生きるべき価値。愛される、必要とされる価値”が全然大きいと思ったのです。でも変わることはできません。毎日毎日彼の調子を伺いながら、いつ爆発するかわからない爆弾を抱える様にしてデリケートに毎日を生きています。普通に息を吸って吐いて、歩いて考えて食べて笑って仕事して運動して生きる毎日がどれほど有難いことなのか。を痛いほど実感しています。

できる限りできることをする毎日

そんな訳で、この半年以上楽しいPBallの話題や旅行の話などを書こうという気分にはとてもなれなかったのです。私は元々超健康なので、この数ヶ月間は彼の家族や仲間たちは皆私の心配もしてくれました。そして春頃から、彼がキモセラピーなどの治療に行っている間、私の気を紛らわせようとアイボー両親がいつも彼らがピックルをする仲間グループに私を誘ってくれ、両親とその仲間と平日の2日間ピックルを再開。週末はアイボーが調子良ければ以前のようにリバーハウスでみんなで過ごし、もっと調子良い時は彼もピックルをするようになりました。元々プロ選手とプレーするほどの上級テニスプレーヤーだった彼なのでピックルも調子が良い時はみんなを蹴散らします。でも4.5レベル以上のプレーヤーたちとガチでゲームをすると3〜4ゲームで腹部の調子が悪くなってきます。彼は相変わらずピックルを馬鹿にしていますが(トホホ)、それでもできる限りエクササイズしようと頑張っています。先月のPETスキャンでは悲しいことに彼の肝臓部分の癌は発見当初より大きくなってしまっていました。なのでその後早急にキモセラピーの薬の種類を変更し、試行錯誤しながらガンと戦う毎日です。このアンジオサルコーマと言う癌は、一度できたら消滅させることは不可能で、共存するしかなく、またどんな治療をしてもいずれはどの薬も効かなくなってガン腫瘍は大きくなってしまうそうです。現在はなんとかその腫瘍の成長のスピードを遅める対処を行っている訳です。

5月からアイボーの娘とその婚約者が我が家で生活しています。彼らはLAに住んでますが、9月初旬に結婚式を私たちの住む街で行い、2週間後からはLAを引っ越して我が家から数分のところにマンションを借りて住み始めます。アイボーがいつまで元気でいられるかわからないので、できる限り愛する父の側で暮らしたいという娘の意志です。 若いカップルが我が家に毎日居てアイボーも少しは元気が出ています。

私の生活は今もこれからも”彼の命が最優先”です。
今回はこのブログ、自分への記録の意味も込めて書きました。 彼に関してはまた何か大きな出来事があれば書くかもしれないけど、次回からは又元気なブログを再開したいと思っています。

最後に、以前ブログで公表していた私のメルアドが、どうもトラブっているようでうまく稼働していません。
なので以降メッセージやコメントはこちらのメルアドにお送りください。 ayasportsjp@gmail.com  です。
本ブログはスパムメッセージ防止のためコメント不可となっています。もし周りに癌の方がいらして辛い思いをされてる方がいらしたらメールください。辛い気持ちをシェアできると気分が楽になるかもしれません。

次回からはまたいつものブログ復活します。

Aya




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