アメリカの癒えない傷口

Image Source: ABC Dakota News Now
フロイドさんの叔父さんがメインとなって行われたプロテストのデモ。サウス・ダコタで行われたこのデモには2000人以上が参加した。

本日はとても悲しく怒りも入ったブログになります。ネガティブなブログは見たくないという方は本日のブログは飛ばしてください。

アメリカの傷口

アメリカという国には自由が沢山あり、私はいつも”世界で一番住み易い国”と思っています。しかし、この国には”人種差別”という大きな”傷口”があり、その傷口は100年以上経っても完治せず、時にその傷口がパカっと開いて血が出てくることがあります。その血は、卑劣な白人たちに殺された黒人の血です。そして今回も又、人種差別による犠牲者が1人出ました。そしてその1人の黒人の死を発端に、世界中が差別に対する怒りの声を上げました。今回は、真面目な内容なので丁寧語では書きませんが悪しからず。

事の発端

今日からちょうど1週間前の5/25日、46歳の黒人ジョージ・フロイドさんは、約2千円の偽札使用の疑惑をもたれ、路上で警察に捕まった。
4名の警官がフロイドさんを路肩にうつ伏せにさせ、3名が体を抑え、デレク・ショービンという警官はフロイドさんの首を膝で押し付けた。「苦しい、息ができません。どうか(息をさせて)・・・」と何度も何度も頼み込んだが、ショービンは膝を緩めなかった。フロイドさんは途中から意識がなくなり、その後救急車が到着してもまだ1分以上ショービンは膝でフロイドさんの首を押し付けたままだった。計8分45秒間もショービンの膝はフロイドさんの首に押し付けられ、そしてフロイドさんは亡くなった。(本日(6/1),フロイドさんの死因は首を押さえつけられ続けた事による窒息死と発表された。)次のNew York Timesの作った動画では、フロイドさんの体や首を押さえつけている警官4人に対し「やめなさい。”息が出来ない”って言ってるじゃないか!」「彼を離してあげなさい」などと叫ぶ通行人たちも写っている。
その大まかな全容が見れるNew York Timesの動画はこちらのリンクページから観覧可能。

デモ行動が世界中で


事の始終は、お店の防犯カメラや通行人やパトカーなどのビデオに記録され、インターネットで即座に世界中に公表された。
この事件の内容そのものは、今に始まったことではなく、この国の歴史的に(残念ながら)珍しいことではない。白人が黒人を差別する行為はこの国始まって以来ずっと続いて来たことなのである。しかし今回はたくさんの目撃者が居て、瞬く間にソーシャルネットワークで世界中にこの悲惨な行為が動画付きでばらまかれたことで、あっという間に世界で人種差別に対する怒りが爆発した。
特に、MBAのレジェンド、マーケル・ジョーダンやロブロン・ジェイムス、ビヨンセ、アリアナ・グランデ、オバマ元大統領、リアナ、キム・カダーシアンやその家族など数えきれないスターたちも声を上げている。特に若い世代に圧倒的に人気のあるポップ歌手のテイラー・スウィフトは、トランプ大統領が、人種差別抗議デモを行う人たちに対し悪党と呼び、ツイッターで”略奪が始まれば銃撃も始まる”などと、でも市民に対する武力行使の脅しを投稿したことに対し「11月の大統領選挙では私たちはあなたを倒す」と怒りの発言をツイッターでし、200万近い”イイネ”がついている。今回のトランプ大統領の、暴力推進とも取られる発言にも国民の多くは怒りをあらわにしている。

フロイドさんの死はアメリカを超えて世界中に大きな波紋を呼んだ。イギリスでも昨日の5/31日の日曜、ロンドンのトラファルガー・スクエアで数千人がフロイドさんの死の追悼と黒人差別抗議のデモを行った。その写真はこちらから。

暴動

今回黒人差別に怒りを爆発させたのは、主に血気盛んな若い世代だ。特にここ2ヶ月間以上コロナ関連の自粛や自宅軟禁生活を強いられ、若者たちは溢れる体力を持て余し精神的にもイライラが募っていたのかもしれない。そんな最中に、自分の好きな歌手や映画スターたちが一斉に人種差別だと怒りをネットでばらまいたから、「そうだ、今こそ自分も立ち上がり声を上げて戦おう」という気になったのかもしれない。イライラしていた気分を、パトカーに向かって石や生卵を投げつけたり、ホワイトハウスの前に陣取って声を荒げて抗議したり、警官たちに立ち向かうことで発散できたかもしれない。全米で数百人の市民が逮捕され、多くの警官が負傷し、建築物やパトカーなどが破壊された。人々の怒りはエスカレートしていった。

火事場泥棒

火事場泥棒は、火事という災難のパニック状態なことを利用して騒ぎの最中にちゃっかり泥棒に入ることを言う。

黒人人種差別に対する怒りのデモがエスカレートし、暴動になってきた時、一部の人たちは、その街のカオス状態を利用し、この隙に店に入って商品を強奪始めたのである。大手のデパート、商店、宝石店、ゲーム店、ナイキストア、レイバン、ユニクロ、ビクトリア・シークレットやデザイナーブランドの店など全米で数百件が一般市民からの強奪被害にあった。ネットで「◯月○日何時に〇〇に集まり、デパートに強盗に入ろう」などと仲間を呼びかけ実行。店のショーウインドーや入り口のガラス戸を金槌で打ち破り、店内に入って商品を盗んで行った。その模様も各都市で様々な人が動画に収めており、ネットで調べればすぐに沢山動画を見ることができる。次の動画はabc Newsの一部で、ニューヨークのマンハッタンでプロテスト(抗議デモ)が暴動のどさくさに紛れてグッチなどの高級ブティック始めあらゆる店に入って強奪する様子。マンハッタンだけで7百名以上が逮捕されたらしい。動画はかなり暴力的なので観覧注意!こうなると、本来の黒人人権とは全く関係なく、単なる強盗=犯罪でしかない。


トランプ大統領は、ホワイトハウス前に大勢のプロテストが集まったことで危険を感じ、ホワイトハウスの地下にある”隠れ家”に篭っていたそうである。



私はカリフォルニアでも、丘の上の閑静な住宅街に住んでいますが、丘を降りて自宅から車で5分もすると、街の中心街に行き、そこには大手のデパートが何件もありまたアップルストアーやティファニーなど、デザイナー・ブランド・ストアー、高級れるトランやバーなどが沢山あります。昨日アイボーの両親の家から帰宅する際、この街の中心を通ったら、パトカーがあちこちに、警官が全ての通りに固まって居て、マスクと黒のサングラスの若者グループが沢山走り回っており、町中がカオスと化していました。そのちょうど1時間ほど前に、どこからか集まって来た無数のグループがデパートやブティックに団体で、300人以上が強盗に入ったと、帰宅してテレビの緊急速報で知りました。そしてコロナとは別件として、私の街は今日から1週間、夕方6時半から翌日朝5時までは、安全のために街に出てはいけないと言う事例が出されました。

強盗は私の街だけでなく、隣町や近隣の街、ロサンゼルス、そしてアメリカ全土に現れたそうで、街がパニックになっているのを利用してこのような行動に出るのは本当に卑怯です。
私は今日テニスの先生とテニスのセッションをする筈でしたが、午後からまたプロテストのデモが行われるので街のあちこちの、そしてテニスコートへ行く途中の道路もデモのために閉鎖となるため、テニスもキャンセル。何でこんなことになったのだろうと悲しくて仕方ありません。

コロナは・・・・?

ここで忘れてならないのは、私たちはまだコロナの自粛期間にあると言うことです。まだ多くの店や会社は営業停止を強いられたままです。アイボーの会社も7月いっぱいまで社員を通勤させられません。

ウィルス拡散の第2波がいつ来るかもわからないためです。
そんな状態だと言うのに、何100人、何1000人と言う市民が1カ所に集まってデモをすると言うのは、コロナ的に大変危険なのです。もしも数千人のデモの中でたった2人がコロナに感染していたとしたら、、、、、、数週間後には数十人、そして数百人が移って行く可能性が無いと、誰が言えるでしょうか?
せっかくウィルス拡散がみんなの力で治って来たと言うのに、ここで感染者を増やさないで欲しい!

こちらはこのように本当に不安な日々となっています。

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